「 まじめ 」一覧

逆鱗

海岸近くの樹に寄りかかり読書をしていた。
穏やかな風と波音が心地よく、うたた寝をしてしまった。
数分、だろうか。地の震えを感じ目を覚ますと、人影が私の上に落ちている。
覚えていない夢の余韻を引きずりながら、私は人影の主を見た。
美しい女性が立っていた。
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穴二つ

管が一つ壊れてしまったので神主さんを訪ねることにした。
竹を調達する時はいつも神社の裏手にある竹林からと決まっている。
なぜか他の竹から拵えたものより管狐の馴染みが良いのだ。
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代行者

憂鬱な月曜日が過ぎ、億劫な火曜日が来て、中だるみの水曜日。
僕は会社が定めたノー残業デーをしっかり守り退社し、最寄り駅へ到着したところで時間を確認する。そろそろかな、と思ったところで携帯が震えた。
「ラズベリー」からのメールだ。僕はいつも通り返信する。
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秘密

父親が働いてる姿を見たことがあるだろうか?
自営業ならまだしも、一般的なサラリーマンなら大半の人は見たことがないと思う。
僕だってそうで、父が会社で何をしているか知らない。
どんな仕事なのか、どんな態度なのか、昼休みに何をしてるのか、義理で配られるバレンタインチョコをどんな顔で受け取るのか、何一つ知らない。興味もなかった。
家族とはいえ知らないことは多く、家族だからこそ無関心だった。
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