結成秘話

甘いマスクの男

一人の眉目秀麗な青年がいました。
女性は誰でも彼に好意をよせるだろうと思わせる端正な目鼻立ちでありましたが
誰も彼を相手にしようとはしませんでした。
彼は常に仮面をつけていたからです。

ある時、彼は仮面を外して街を歩いてみました。
仮面を外しても、いつもと同じように誰も彼を相手にしようとはしません。
それが彼の素顔だと誰も思わなかったからです。
彼はその反応をみて小躍りしました。

それから彼が仮面をつけることはありませんでした。
自分と同じ顔の仮面は今でも部屋の隅に飾っています。


うおのめの男

一人の見目麗しい女性がいました。
男性は誰でも彼女に好意をよせるだろうと思わせる理知的な顔立ちでありましたし
その通り、男性から甘言を投げかけられる日々でした。

しかし、彼女のことなど視野に入っていないかのように、まるで興味を示さない男性がいました。
彼女は素直に聞いてみることにしました。あなたはどうして他の男性のように振り向かないのですか。
意外にも男性は「美しいと思わないからだよ」と笑って答えたのでした。

そう、この男性の目は魚眼だったのです。
人にとって美しく映るものでも、魚にとってはそうではなかったのでした。


二つ影の女

一人の見目麗しい女性がいました。
彼女はある日突然、長い黒髪をバッサリと切ってしまいました。
自分のことを「美しいと思わない」という男性に出会ったからです。

彼女はその言葉を聞き、今まで容姿にばかり気をかけていた自分を恥じました。
そんな自分からの決別の儀式でした。

バッサリと落ちた黒髪は床に染み込み、彼女の二つ目の影となりました。
周囲は影が二つある彼女のことを気味悪く思いましたが、彼女は意に介しません。
目に映るものが全てではないことを既に学んでいたからです。


鮮やかな男女

仮面の男、魚眼の男、二つ影の女。
三人は共通の価値観により結びつきバンドを結成しました。
後のthe brilliant greenです。

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