マサリマサレ

「ヒマっぴぃ」
「……」
「ヒマっぴぃ!」
「……」

「妹がヒマをモテモテ余してるのにお口にチャックで対抗するのはルールいはーん! チャックは! 開けるもの!」
「姉が静かに読書をしてる横でチャック持論を投げつけてくるのは何かに抵触しないのかしら」
「ねぇー何かしてあ・そ・ば?」
「頭も線も足りてないわよ」
「いもうと、ひまなり。どうにかする、姉のぎむ!」
「わかったわ。じゃあシカトゲームしましょう」
「歯科とゲーム?」
「それはまた今度ね。シカトゲームは、お互いをシカトするの」
「どうやって?」
「その質問は想定してなかったわ」
「学校でまだ習ってない!」
「習ってたら大問題よ。それじゃあ沈黙ゲームにしましょう」
「ムーンウォークゲーム?」
「やれるもんならやってみなさいよ」
「いえーい」
「出来るのね。マサレのこと頭の悪さ以外で初めてすごいと思ったわ」
「学校で習った」
「体育のレベル超えてるわよ」
「お姉ちゃんも一緒に超えYO!YO!」
「ムーンウォークしながらHIPHOP育ちぶるのやめなさい。妹が日本人離れしていくのは忍びないわ」
「次、お姉ちゃんの番だよ。それムーンウォーカー! ムーンウォーカー!」
「エンタメ情報誌みたいになってるわよ。あーもう私の負けでいいわ」
「やったー勝った! やーいザコっぴぃ。顔とか洗って二度手間しな!」
「……」
「……」
「……」
「……怒っぴぃ?」
「あ、ごめん、無視ゲームしてたわ」
「無知ゲーム?」
「それならあんたの圧勝よ」
「だって、学校でまだ習ってない!」
「やっぱりそうなるわよね。習ってたらモンスターじゃないペアレントまで大激怒よ」
「モンスター? 心から倒す!」
「その正義感と心意気を別のところに向けて欲しいわ」
「じゃあお姉ちゃんモンスターやって。あたしモンスター操る!」
「黒幕志願してるとこ悪いけど、やんないから」
「同じ色のお姉ちゃんを4つそろえたら倒せるんだよね?」
「どうしてモンスター像がぷよぷよなのよ」
「お姉ちゃん……ぷよぷよ……」
「露骨にケンカを売られてるのかしら」
「ケンカ売ってない! 今売ってるのは、ぷよぷよまん!」
「いいかげん期間限定を盲目的に愛すのやめなさい。ペプシで散々痛い目みたの忘れたの?」
「忘却の彼方へ」
「あんた幸せ者よね」
「幸せって一体なんなのかなぁ……」
「突然哲学に目覚めるのやめてね。お姉ちゃんも驚きを隠せないし答えを持っていないわ」
「そんなことよりお姉ちゃん、ぷよぷよマン!」
「哲学をそんなこと呼ばわりなのね。そして私はマンじゃないわよ」
「ぷよぷよウーマン!」
「絶対に言うと思ったわ。操るつもりが逆に操られた気分はどう?」
「セブンイレブンいい気!」
「最後まで言いなさいよ。違うニュアンスで伝わっちゃうでしょ」
「ぷよぷよまん買いにいこう?」
「どこに?」
「セブンイレ部分」
「どの部分かわからないけど、少なくともセブンイレブンには売ってないわよ」
「売ってるかもYO!」
「思い出したようにHIPHOP育ちに戻るのやめてね。あーもー読書が全然進まないじゃない」
「何読んでるっぴぃ?」
「ファミ通」
「……」
「なによ」
「お姉ちゃん、ぷよぷよしよう」
「受けて立つわ」
「負けた方がぷよぷよまんおごり! 勝った方もぷよぷよまんおごり!」
「勝敗が無意味だけどいいわ。じゃあ負けた方が買いにいくってことで」
「いえーい」
「ムーンウォークで」
「えーつかれるー」
「可能のハードルを超えた者は疲れるかどうかが基準になるのね。勉強になったわ。あ、いっとくけど手加減しないから」
「……」
「……」
「お姉ちゃん」
「なに」
「色々ごめんなさい」
「うむ。でも手加減しない」
「えー」

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