目的泥棒

ガチャッ


マサラ:
(あれ? おかしいな?
何のために冷蔵庫を開けたんだっけ……えっと……何か飲みたいんだっけ? 牛乳? 麦茶? ペプシバオバブ? おい誰だよペプシバオバブ買ったの! またマサレか。期間限定珍商品に目がないボケが。キューカンバーとあずきで痛い目にあったの忘れやがって。いやそんなのはどうでも良くて忘れてんのはオレだ。何のために冷蔵庫をハ、ハ、ペップシ! 図らずともクシャミがペプシになっちまった。うー寒い。って冷蔵庫開けてればそりゃ寒いよな。で、オレは何のために冷蔵庫開けてるんだっけ? 目的を忘れた。よし冷静になろう。冷蔵庫を開けるということは何かを取り出すんじゃないのか? 飲み物か? いや牛乳も麦茶もバオバブもいらない。お腹も空いてないし料理するわけでもないから食べ物も違うか。そうか! 何かを取り出すんじゃなくて何かをしまうために開けたんじゃないのか。そうするとその物体はオレの手元にあると推測できる。そして今オレの手元にあるもの! ティッシュ! なんで! さすがにティッシュは違うだろ。でも他にオレの手元には何も無い。いやまてよ……あるじゃないか。そう、オレ自身だ! オレがオレを冷蔵庫まで持ってきた! 冷やすために! アホか頭を冷やせオレ。あ、冷蔵庫に頭つっこむと気持ちいい。で、何で冷蔵庫開けてるんだっけ? 思い出せない……ま、まさか! 記憶喪失! イギリスのとある浜辺でスーツ姿の男性がびしょ濡れの状態で発見された。記憶喪失で一言も話さないその男性の身元は不明。試しに紙と鉛筆を渡すとその男はピアノの絵を描いたという。そしてピアノの前に連れて行くと彼はピアノを華麗に演奏したのだ。たしか彼の名は……ペプシマン! 違うピアノマン! 全ての記憶を無くしてもピアノだけは忘れなかったピアノマン。そして今のオレは記憶を奪われた冷蔵庫マンだ。他のどんな記憶を失っても冷蔵庫だけは忘れなかった冷蔵庫マンだ。紙と鉛筆を渡されればエコタイプの冷蔵庫を描くし、冷蔵庫の前に連れて行かれれば華麗に開け閉めするだろう。うおぉぉ! バタンッ! ガチャッ! バタンッ! ガチャッ! 刮目せよこの華麗なる開閉術! バタンッ! ガチャッ! バタンッ! ガチャッ! ひゃっほー!)


マサレ:
「こらお兄ぃ! 熱あるんだから大人しくオネムするっぴぃ!」

マサラ:
「オレは孤独な冷蔵庫マン。奪われた記憶を取り戻すため旅にでる」

マサレ:
「ママリーーン! お兄ぃが超絶ダサヒーローに変身してからの自立宣言ー!」

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