穴二つ

管が一つ壊れてしまったので神主さんを訪ねることにした。
竹を調達する時はいつも神社の裏手にある竹林からと決まっている。
なぜか他の竹から拵えたものより管狐の馴染みが良いのだ。
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アブドミナル&サイ

今のぼくの状況を簡単に説明しよう。
手を頭の後ろに組んで、こめかみに銃口をつきつけられている。
なんともわかりやすい人質の姿勢だ。

たまたま公園で休んでいると、逃走中の犯人がやってきて、ぼくを人質にとった。
周囲にはたくさんの警察官、パトカー、野次馬で溢れている。
犯人が何をしたのかは知らない。というか、そんなことを気にしている余裕がない。
ぼくの心は千々に乱れている。今にも大声で叫びながら走り出してしまいたい気分だ。
しかし、それも出来ない状況だ。一体ぼくが何をしたというんだ。どうしてこうなった。
考えれば考えるほど、思考は一つの結論に収斂していく。

死にたい。

それしかない。いっそ殺してくれ。
どうしてこうなった。
どうしてこうなった。
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だってトマトが絶品だから

遅刻の認識には二種類ある。
今からでは間に合いそうにない暫定型か、既に約束の時刻が過ぎている事実型だ。
僕の場合は明らかに後者で、また多くの人が絶望より開き直りに徹するのも後者だった。
しかし僕は絶望も開き直りもしない。そんな時間すら惜しいからだ。
寝癖も直さず顔も洗わずトイレさえ我慢して、韋駄天走りで駅前の喫茶店へと急いだ。

彼女の待つ喫茶店へ。
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